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執筆者の写真Hiroaki Ehara

かけだし情報1259

畑情報


 今週は真冬並みの気温になる予報がでています。朝の冷え込みもより厳しくなって、畑も霜が降りて真っ白になる日が多くなるかもしれません。ここしばらく雨も降っていないため、畑を含め乾燥した状態が続いています。このへんで一雨欲しいところですが、予報ではしばらく雨は降りそうにありません。寒さがきびしくなり、コロナの感染も増えていますので、くれぐれもお体に気を付けてお過ごしください。

 毎年、この時期になると翌年の作付け計画を立てる作業をしています。お米も含め、どの圃場にどの品種を育てるかを考え、タネの注文をしていきます。

 お米は来年から50aほど田んぼが増えることになり、その分も含めて品種を考えることになります。まだ企画段階ですが、米つくりをしてみたいという人に小さな田んぼを使ってもらい、田植えから収穫までをその人たちにしてもらうことも考えています。田んぼの耕耘や代掻きなどは機械がないと難しいので、そこまではうちが作業をし、苗つくりから田植え、田んぼの草取りや肥料の散布、そして稲刈りから乾燥、精米まで一通りの作業をみんなで行うことができたらと思っています。家庭菜園で野菜を育てることは割と簡単にできますが、米つくりとなると水の問題も含め、敷居が高いのが現状です。でも自分で米を育てる経験を多くの人にして貰えたら、稲作やお米が抱えている課題を共有でき、田んぼが遊休地化することも防げるかもしれません。野菜つくりの有機農学校の件も含め、早めに詳細を詰めていきたいと思っています。

 そのお米の種ですが、毎年、お米を出荷しているお米屋さんから購入しています。有機の田んぼのお米を自家採種していく必要はあるのですが、品種によっては毎年、種子を購入することが出荷の条件だったりすることもあり、自家採種はしていませんでした。ただ、種苗法の改正などもあり、自分で種を守る必要性も感じているので、来年からは有機の田んぼのお米は種を自家採種していく予定です。

 お米といえばコシヒカリが一番有名ですが、それ以外にも各県が育種した品種がたくさんあります。日本政府は、各県で育種した品種の情報を民間に提供し、民間が育種していく方向に舵を切っていますが、県の育種したものは安価で農家に提供されているので、民間が種子を握ることは種子代も高くなり、農家の裁量、で種を選ぶ自由さも制限されていくかもしれません。

 企業によっては全量引き取る条件として種と肥料、農薬を指定し、それ以外のものを使うと契約違反とされてしまうケースもでています。農家にとっては収穫したものをすべて引き受けてくれるのでメリットも大きいように見えますが、作る自由が無くなると、単なる企業の下請けとなり、気がつくと農家ではなく、農場の一労働者となってしまうかもしれません。やはり、食べる人と作る人が対等な関係であることが、農家としてのやる気と誇りを維持できるものだと感じています。

 米の品種はたくさんあると書きましたが、埼玉県で多く作られているお米は、やはり人気のあるコシヒカリを筆頭に、キヌヒカリ、埼玉県の奨励品種である彩のかがやき、彩のきずな、変わったところでは低アミロース米のミルキークィーンなどです。どの品種を作付けするかは出荷先が何を求めているかもありますが、農家の考えによるところも大きいのです。

 最近の猛暑によってキヌヒカリや彩のかがやきは高温障害がでてお米が白くなってしまうため、等級が付かないことも多くなりました。等級は千粒の中に白くなってしまったものやカメムシの食害で黒い斑点が出ているものがどのくらい含まれているかによって、一等、二等、等外とランク付けされます。等級によってお米の引き取り価格も違ってくるので、できるだけ1等になるように、大きい農家などは色彩選別機に掛けて、色のついているお米を弾く作業をしています。(色彩選別機は特殊な機械なので価格が高く、小型のものでも100万円ほどしてしまいます。なかなか小さな農家には買えるものではありません)

この等級はお米の品質や安全性によるものではないために、カメムシの防除のために農薬が散布されたりしますから、等級制度に対しては有機農家は懐疑的です。

 コロナの感染は年を越しても続きそうです。今朝のテレビ番組で話題に出ていたのですが、ノーベル平和賞を受賞した国連のWFPによると、一人当たり43キロの食糧を必要としている人が世界はたくさんいる。そして日本は一人あたり48キロの食品ロスを出している。このロス分を世界の必要な人に回せれば、

一時的にでも助かる人が多い。日本でもコロナにより生活が大変になっている人が増えています。お米の支援なども考えたいと思います。

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