畑情報
先週の土曜日に、合鴨農法で育てた大地の風というお米の籾摺りをし、今年の米つくりは終了しました。地域の田んぼを見ても、8割がたは稲刈りが終わっています。まだ残っているところもありますが、暦も来週からは11月となるので、稲刈りシーズンはほぼ終わりです。刈り取りの終わったところでは、藁を燃やして麦播きの準備をしているところもあります。米麦の二毛作は、群馬や埼玉の北部を中心に実施されている農法です。加須のうどん、鴻巣の川幅うどんなどのうどんや、小麦粉を使ったフライなどの郷土のグルメは、土地のあった作物によって成り立っています。
今年の米つくりを振り返ると、お天気に悩まされ続けたシーズンだったと言えます。田植え後から雨続きで、梅雨明け後は猛暑となり、稲刈りに時期になると雨が続きました。田んぼから水を抜き、中干しをするタイミングでは雨のために十分な中干しができず、穂がでて一番水が必要な時には猛暑が続き、田んぼによっては水路の水が十分に行きわたらない時期があるなど、特に水の管理が適切に行えない状況がありました。稲が出穂して籾が充実する時期に猛暑が続くと高温障害がでて、籾が白くなってしまいます。籾が白くなる割合が多いと検査では1等とならず、2等、あるいは等外という評価になってしまい、買取価格も安くなります。今年は早生のキヌヒカリは等外という評価が多く、彩のかがやきも高温障害がでています。
うちの田んぼでは、合鴨農法の田んぼで稲の生育不良のところが多く、収量もあまりよくありませんでした。天候による影響もありますが、緑肥として鋤きこんだヘアリーベッチや稲藁の分解が十分でなく、ガスの発生によって根が影響を受けたと思われます。合鴨は雑草をきれいに食べてくれたので、雑草はあまり残っていませんでしたが、稲自体が貧弱な所が多くて、稲刈りをしながら寂しい気持ちになりました。
米つくりは一年に一度です。同じような肥料を使い、同じタイミングで田植えや草取りをしても、その年によってお天気も違えば、生育状況もちがってくることもあります。去年豊作だからと言って同じようにしても、同じような育ち方をしてくれないのです。
今年の稲は、合鴨農法と有機の田んぼ以外は埼玉県の特別栽培米の基準をクリアするように育てました。使った肥料は田んぼによって少し違いますが、通常の米つくりに比べると化学肥料の割合は30%ほどにし、除草のための薬も2成分のみのものにしました。
全ての田んぼを有機にするにはまだ除草の問題をクリアしていないので、どうしても除草剤を1度は使います。この草取りの課題が解決できれば、すべて有機に切り替えたいと思っていますが、もう少し試行錯誤が必要です。
来年の話をすると鬼が笑いそうですが、今から来年のための準備を始めています。その一つがレンゲを使った稲作です。レンゲを緑肥として使い、今年散布した発酵鶏糞の代わりにしようと考えています。レンゲは花が蜜源にもなり、景観も良いので、もう一度チャレンジしてみることにしました。だいぶ前にレンゲを緑肥としていたことがありますが、レンゲにつくアルファルファタコゾウムシの被害が大きく、レンゲをやめてしまった経緯があります。今年はレンゲの種まきを遅めにして、タコゾウムシに被害を少なくしようと思っていますが、肝心の田んぼがなかなか乾かずに耕すことができずにいます。今週は晴れが続きそうなので、田んぼが乾いてくれることを期待し、週末には種を播きたいと思っています。
もう一つ、草取りの機械を購入することにしています。今までは合鴨農法の田んぼは合鴨任せで、有機の田んぼは手押しの除草機を使っていました。合鴨の田んぼは来年も合鴨の力を借りる予定ですが、有機の田んぼを増やすことも考え、機械の力を使うことにしたのです。今のところ、考えているのは中古の田植え機を利用したものです。田植え機の植え付け部分を取り払い、そこに除草機を装着するもので、田植え機に乗りながら除草するタイプの機械です。田んぼの中を歩いて草取りをするのは限界があり、面積を増やすことは難しいと感じていました。もちろん、機械を使っても完全に草取りできるかどうかはわかりませんが、10aあたりの所要時間が1時間ほどであれば、10日おきに3~4回の除草回数をする必要があっても、体の負担は減ります。また、周りの人も除草が上手くいけば、有機に転換するきっかけを作れるかもしれません。
ただ、この除草機を取り付けられる田植え機を探す必要があるため、今、ある機械屋さんにお願いして田植え機を探しているところです。今は、米つくりの基本をもう一度勉強しなおすために、資料や本を読み、来年の準備を進めているところです。
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