畑情報
淡い緑色だった木々の葉っぱも、気がつくと
ずいぶん色が濃くなっていました。だんだんと湿度も高くなり、梅雨の季節へと移っていく感じがしてきます。水を張った田んぼからはカエルの合唱が聞こえてきます。にぎやかな鳴き声が田んぼのシーズンが始まったことを知らせます。
新型コロナウイルスの緊急事態宣言は、最後まで残っていた東京や埼玉でも解除されました。すっかり日常が戻ることまではいかないと思いますが、少しずつ様子を見ながらできることが増えていくことになるのでしょうか。まだ第2波、そして秋から冬にかけての感染なども心配されています。コロナの始まる前の社会と、これからの社会の在り方はいろいろな所で変わることになると思います。
ここ鴻巣でも田植え作業が進んでいます。田んぼでは、田植え機で苗を植える農家もあれば、トラクターで代掻きをしている農家、田んぼの水を見回っている農家など様々です。
残念ですが、毎年恒例にしている手植えによる田植えのイベントは今年は中止です。密閉された空間とは逆のオープンな田んぼですが、いろいろな所から人が集まることを考えると、まだリスクが高いと判断しました。ずっと人の集まるイベントができていないので、人の集う農場としてのガバレ農場の機能は半減した感じでいます。また集まりが可能な状況になったら、皆さんにも来ていただきたいと思いますので、それまでしばらく辛抱してください。
田んぼの主役は稲ですが、実は田んぼには多くの脇役が存在します。今週の水曜日にやってくる合鴨もその一つです。去年は寒い梅雨だったことも影響し、田んぼに放した合鴨を回収することができませんでした。寒さと雨で体が冷えて死んでしまったり、中干しをしている時に野生の狸?などに襲われたり、逃げ出したりと、合鴨たちには申し訳ないことをしました。
今年も家の前の田んぼ前面と、少し離れたところの田んぼ一枚に合鴨を放す予定です。電気の柵とネットを使って鴨たちを守りながら、田んぼの草や虫などを食べてもらおうと思います。合鴨の様子はまた次のかけだし情報でお伝えしたいと思います。
さて、田植えをするまでにどんな作業があるのかを簡単に説明したいと思います。これは農家によって多少の違いはありますが、有機の田んぼを例にとって説明します。
今年、全部で約2haある田んぼのうち、3分の1の田んぼでは合鴨農法をすることになります。残りの3分の2は、特別栽培米の基準に則った作り方です。
特別栽培米は、栽培している地域の一般的な稲作である化学肥料と農薬を使う方法から、農薬を半分に減らし、化学肥料のうち窒素成分を半分に減らしたものです。正式には県に申請書を提出し、認められたものを特別栽培米として販売することができます。ガバレでは、お米屋さんに出荷する有機の田んぼ(去年から合鴨を入れた田んぼ)と、除草剤だけを使用した田んぼの2枚を特別栽培米として申請しています。
それ以外の田んぼは、去年までは化学肥料と除草剤を使っていました。だんだんと稲の元気がなくなってきている気がしていたので、今年から化学肥料はやめて、鶏糞と有機100%の肥料を使うことにしました。ただ、全部の田んぼを有機にするには除草の手間がかかり過ぎて、野菜の世話ができなくなってしまうため、
ここは除草剤を1度使うことで特別栽培米の基準をクリアすることにしました。少しずつ除草剤もやめて、有機のお米を増やしていくようにはしていきたいと思いっています。
だいぶ脱線しましたが、有機の田んぼでは去年の秋にヘアリーベッチという緑肥の種を播き、大きく成長した5月初めに細かく砕いて田んぼに鋤きこみます。他の田んぼには鶏糞(うちの鶏糞は田んぼ全部には足りないので、購入したペレット状のもの)、有機のぼかし(これも購入したもの)をまきました。2~3人で何日かかけて、一輪車や籠を使い手作業でした。
本当はここで一度耕したかったのですが、雨ふりが続き、田んぼを耕すことができなかったため、このまま水を田んぼに入れて代掻き作業をすることにしました。家の前の田んぼは合鴨の水慣らしをすることもあって、少し早めに最初の代掻きは終えました。他の田んぼは明日から水を入れ始め、今週末までに代掻きをする予定です。この代掻きは荒代と呼ばれ、水と土をなじませて田植えに備える作業です。そして、田植えの2~3日前には植え代と呼ばれる代掻き作業をもう一度行います。こちらは田植えに向けての総仕上げで、荒代よりも少し浅めに代掻きをしていきます。
これで後は田植えを待つだけです。水を入れてから約10日ほどで田植えとなります。
Comments