畑情報
新型コロナウイルスの非常事態宣言も5月末までの延長となり、まだ先の見えない状態が続きます。気温や湿度があがる夏に向けて、ウイルスはいったんは収まっていくとの予想もありますが、秋から冬にかけてまた感染がおこるとも言われています。いつもなら、蒸し暑さに閉口する梅雨、そして夏ですが、今年ばかりは早く蒸し暑さが来ないかと思ってしまいます。
先週末はからっとした暑さでしたが、気温は30度を超えました。半袖で作業していても汗が流れるほどでした。今年は自粛で外出もままならない状況のゴールデンウィークですが、この時期になると農家の仕事も忙しさが加速していきます。
畑では夏野菜の植え付け準備を進めています。堆肥を撒き、耕して畝を作り、マルチを張るというのが一連の流れです。植え付ける野菜によって少しずつ堆肥の施し方や量を調整しています。夏野菜の代表格であるナスやピーマンは6月から収穫が始まり、10月頃まで収穫が続く野菜です。最初に入れる堆肥だけでは肥料が続かないので、途中でぼかし堆肥を追肥として与えていきます。
トマトは肥料に敏感な野菜で、大量の肥料を入れてしまうと茎や葉っぱなどが勢いよく生育しすぎてしまい、実がうまくならないことがあります。こちらも最初は少しだけ肥料をいれ、様子を見ながら追肥をしていくというパターンです。
育苗ハウスの中は植え付けを待っている野菜でいっぱいです。これから少しずつ畑に植え付けをしていきます。その後、第2弾の種まきをしてまた育苗をする野菜もありますから、しばらくはハウスの中は賑やかな状態が続きます。
写真は田んぼに生えていた緑肥のヘアリーベッチと、それを刈り取った後の田んぼです。手前が刈り取ったあとです。昨年の稲刈り前に種を播き、そのごの台風の大雨などの影響で発芽率があまりよくありませんでした。それでも3月頃になると眠っていたと思われる種が発芽をし、田んぼ全体にヘアリーベッチが広がってきましたが、良いところと悪いところがある感じでした。緑肥としてこれからトラクターで鋤きこみ、元肥とします。
コロナウイルス一色のなかで、農業にとって大切な種が危うい方向に向かおうとしています。政府は、種苗法を改正し、農家の自家増殖を禁止にしようとしています。この改正の動きは、新しく開発した種や苗を保護することとなっています。日本で作られたイチゴであるトチオトメや、ブドウのシャインマスカットなどが海外に流出して、現地で生産されていることなどが報道されたこともありました。
ただ、今回は農家の自家増殖も一律で禁止となっていることが大きな問題です。もし農家が種を自家採種したり、苗を増やす場合は許諾を受ける必要があるということです。その際に許諾料が発生するかもしれませんから、農家にとっては経営上、大きな負担となってしまいます。
この自家増殖禁止は、登録品種に限られるとなっています。固定種などで品種登録されていないものについては自家採種、自家増殖はできるとなっていますが、種苗会社などは今まで品種登録をしていなかったものを、順次品種登録していく動きを見せています。
種は作物を育てる場合、なくてはならないものです。
種を管理すること=農業を支配することにもつながります。何年もかけて品種改良し、新しく作り出した種苗を守るということはわかりますが、農民が生活のために種を取り続けていくことを禁止されてはたまりません。法律を改正したい人たちは、農民の事、農業のことを本当にわかっているとは思えません。
コロナの陰で多くの大切なことが壊されようとしているかもしれません。
Comentários