かけだし情報1227
- Hiroaki Ehara
- 2021年1月20日
- 読了時間: 3分
畑情報
週末になると雨が降るパターンが続いています。
降る量も例年になりほど多く、特に先週末は大雨となり耕してあった田んぼはすぐにでも代掻きができそうなほどでした。雨が降ってくれることはありがたいのですが、夏野菜の植え付け準備や田んぼの耕耘など
予定通りにはいきません。
コロナウイルスの感染拡大は続いています。緊急事態宣言の継続もありそうな気配です。知り合いの有機農家のFacebookを見ていたら、このところ野菜の苗を購入する人が増えてきたとの話が書かれていました。自宅でのテレワークや外出自粛の影響で、自分で食べるものを育てたいと思う人が増えてきたようです。コロナ終息後の世界についての話題も出てきていますが、森や田んぼ、畑など農業や林業など次の世代の人材が圧倒的に不足している分野が注目されてくれば良いと思います。
ウイルスを媒介すると言われる野生の生き物は、ここ十年ほどで人との距離を狭めてきています。イノシシやサルなどは普通に山里の畑に出てきて米や野菜などを荒らしています。その原因のひとつが山を適切に管理することができなくなったことだと言われています。山の栄養が川に入り、やがて海に流れて魚を育てるのが自然循環です。山と里、海が適切につながるには、それぞれの場所で適切に管理する人の存在が不可欠です。多くの人が山での仕事、里での暮らしに関心を持ってくれたら、何か変わるかもしれないと思います。
育苗ハウスで育っているトマトの苗
週末の大雨で育苗ハウスの中も冠水してしまいました。ハウス内は夏野菜の苗でいっぱいです。大雨予報が出されたときに、それまで地面に置いていたトマトなどの苗を棚の上に移動させておきました。今、ハウスの中にはトマト、なす、ピーマン、キュウリ、カボチャやズッキーニといった夏を代表する野菜の苗の他、インゲンや枝豆、ネギなどの苗も育っています。
落ち葉を踏み込んで発酵熱を利用した温床の温度もだいぶ低くなりましたが、お天気の日にはハウス内は35度を超える気温になっています。入り口のドアを開けたり、両サイドのビニールを巻き上げて風通しを良くするなどして、日中は25~30度くらいになるように温度管理をしています。夜間になると冷え込む日もあるので、ビニールを覆いをして保温するなど、植え付け時期になる連休くらいまでは気を抜けない日が続きます。
種を播いたトレイを温床に置き、発芽して本葉が出てくるとトレイの土の中では根が伸びてきます。本葉が3枚~4枚になったころに、それまでの200穴のトレイから72穴のトレイに移植します。この時にポットに移しても良いのですが、まだ温床の上に置いておきたいので、ポットにするとスペースが十分とれなくなるのです。やがて日中の温度も上がってきたらポットへと移す作業をします。
植え替えるときに使う土は、腐葉土と何年か積み込んであるもみ殻の下の方で、ほぼ土のようになったもの、それと鶏糞堆肥が少々、最後に鶏糞堆肥が土のようになったものを混ぜ合わせたものです。腐葉土にはミミズの赤ちゃんや、小さな貝の形をしたもの、ダンゴムシなどたくさんの生き物が住んでいます。ポットの中の土は露地とは違い狭い空間です。その中で作物の根が気持ち良く伸びていける環境を作ってあげることが、良い苗を育てることにつながります。まだ赤ちゃんから幼児になったばかりの苗に、急に高い栄養を与えると苗がびっくりしてしまいます。じっくりと根を張り、葉っぱや茎を上部に育てることができれば自然と良い野菜になってくれます。
今年はどんなお天気になっていくのかわかりません。去年のように大型の台風が来ることもよそうできます。育苗ハウスの中で育つのもあと2週間ほどです。そのあとは、厳しい自然のなかへと旅立つことになるのです。

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