畑情報
立春を過ぎ、暦では春となりましたが、まだ寒さが続く2月です。とはいえ、4月頃の暖かい日があったり、氷が張るような寒い日がやってきたりと三寒四温に象徴される春に近づいていることを感じます。それを象徴するように、梅の花が満開になっています。いつも見ている風景なのに、ちゃんと意識して見ていないことがたくさんあります。もう少し、季節の変化を感じられるように意識しないといけないと思いました。
先週の水曜日、熊谷にある農業大学校で講演会がありました。茨城県の笠間市で有機農業塾を主催している方を講師に招き、有機農業の優れた技術を広げるためにはどうすればよいかというお話を聞きました。
この講演会は、埼玉県内で有機農業や自然農などに取り組む生産者や、県の職員、流通や販売、加工などに携わっている方などのネットワークの立ち上げ記念の講演会でした。
埼玉県内には小川町のように有機農業を営む70件ほどがグループを作って勉強会や有機農産物の出荷などを行っている所、上里町でJAが有機部会を作って有機農業に力を入れているところなど、大きなグループとして活動しているところがあります。
ただ、グループになっていないところでは有機農家が点在し、それぞれのつながりがあまりないのが現状でした。また、県立の農業大学校で有機農業を学ぶことができるのは島根県と埼玉県だけですが、そのコースを卒業した後は、農地の確保から販売などの経営面でも一人で解決するような状況があります。
有機農業や自然農をする人たちは、それぞれの地域や経営方針、販売方法など様々です。それを一つにまとめることは無理ですが、技術的なものについての情報交換を主体にしたネットワークの必要性は皆が感じていたことでした。特に新規就農し、周りに相談するような人がいない場合など、誰かと繋がっているだけでも負担感が軽減されます。
昨年から何度か話をしてきたメンバーでネットワークを立ち上げることにし、有機農業の技術についての情報を交換するようなネットワークにすることを確認しました。まずはメーリングリストを作り、そこに情報を提供することや、年に何度か講演会、研修会などを開催することにしています。
新たに農業を始める場合、特に有機農業を始めるには大きな壁があるのが現実です。家がもともと農家であれば、有機農業をするかどうかは農家の家族間の問題となりますが、非農家の人が農家になるには、農地を確保する必要がでてきます。この土地を確保することが難しいのです。
埼玉県の農業大学校で有機農業を学ぶ学生さんたちは非農家出身の方がほとんどです。その人たちがこれから農業を始めるために、何らかの関連をもっている自治体の窓口を訪ねます。そこで新規就農をしたい、できれば有機農業をしたい、と言った場合、行政の担当者からは「有機農業では無理」という言葉が返ってくることがほとんどだと言います。
有機農業を推進するための法律もでき、国、県、市町村は有機農業を推進するための施策を行うことが義務付けられるようになりました。環境に関する関心もあって、有機農業や自然農についての知識も以前に比べると皆に浸透しています。でも、新規就農を考え、それも有機農業をやりたい、と思う人たちの最初の壁はとても大きなものとなっているのです。
なぜ、行政の担当者は有機農業はだめだ、とすぐに言ってしまうのか。それは有機農業に携わる農家の数が圧倒的に少ないこと、また、担当者の有機農業に関する知識や意識がとても少ないことが原因と思われます。農業高校でも有機農業に関する授業や実習はほぼないのが現状で、教育機関も含めて農業行政に携わる人たちにとって、有機農業はまだ一部の人たちの農法でしかありません。
このネットワークでは、できるだけ県の普及員の方にも参加してもらえるようにしたいと考えています。そしてできれば農業高校の先生にも参加を呼び掛けていきたいと思っています。
去年の合鴨田んぼから合鴨を引き上げることができず、鶏と一緒にいた合鴨たちも狸が鶏小屋を襲った時に逃げ出してしまい、それ以降戻ってきません。
毎年、鴨の会を楽しみにしている方も多いのですが、
残念ですが、今年は鴨の会は中止です。昨年の秋から台風の影響で稲刈りが中止となるなど、皆さんが集まれる機会がなくなってしまいました。3月の終わりごろに桜を見ながら集えるような企画を検討中ですので、決まり次第ご案内したいと思います。
よろしくお願いします。
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