かけだし情報1195
- Hiroaki Ehara
- 2019年10月24日
- 読了時間: 4分
畑情報
お盆を過ぎて、厳しい猛暑のピークは過ぎたでしょうか?今週は曇りや雨の予報がついている日が多く、最高気温もいく分低めになっています。特に夜の気温が25度以上の熱帯夜からは解放されそうで、少し秋の気配を感じるようになるかもしれません。
9月に入ると早い田んぼでは稲刈りが始まります。今年の出来はどうでしょうか? 7月の梅雨はほぼ晴れた日がないほどの梅雨空が続き、8月に入ると一気に猛暑がやってきました。田植えをしたタイミング、稲の品種、水の管理などによって収量が違ってきます。
稲刈りをし、乾燥させて、籾摺りをしてみないと出来不出来がわからないことも良くあります。稲刈りの時はたくさん獲れたと思っても、高温障害によって籾が白くなっていることもあれば、くず米が多く、意外と収量が少ないという時もありました。田んぼの風景は、今までは緑一色でしたが、これからは黄金色をした田んぼとまだ緑の田んぼが混在する時期となっていきます。
8月の最終週になると、畑も秋野菜の準備が本格化していきます。今は、畑にある雑草を細かく砕き,トラクターで耕す作業が中心です。今年は雑草の伸びが早く、1週間前に刈ったはずなのに、気が付くと同じように雑草に埋もれた畑になっていました。雑草も有機質ですから、畑に戻してあげれば緑肥としての効果も期待できます。ただ雑草の種も畑に戻すことになるので、9月の種まき時には草たちも元気に発芽してきます。今年は何度草刈りをしたことか、それほど雑草にとっては良い環境だったのだと思います。
刈り取った雑草はトラクターで土に鋤きこみますが、この雑草がきれいに分解するまでは少し時間がかかります。8月中に一度耕し、少ししたらもう一度耕して、雑草の分解を早めます。この時に堆肥も散布し、種まきや植え付けができるように準備するのがベストですが、なかなか予定通りにいきません。雨が降り、その後に強烈な太陽が顔を出すと、準備した畝の表面がカチカチになり、そのままでは種まきができません。管理機を使って、表面を軽く耕してから種を播くので作業がどうしても遅れてしまいます。
この時期は特にそうですが、秋冬野菜の種まきの適期は9月から10月の中旬くらいです。その間に、多くの種を播き、苗を育てたものは畑に植え付けをして、となり、本当に短期決戦です。例えば白菜の種まき時期は、8月25日からの1週間ほどが例年の流れです。
種類によっては9月になっても種を播けるものもありますが、遅くなってから種を播いたものは、生育途中で寒さが厳しくなり、結球するのが難しくなってしまいます。
畑に直接種を播くものも、早く播きすぎると虫たちの餌食になってしまいます。しっかりと防虫ネットをかけておいても、小さな虫が苗の芯に入り込み、心を食べてしまうことがよくあります。遅めに種を播くことで、虫の被害はだいぶ減りますが、生育途中で冬になってしまうこともあり、十分な生育ができないため、種を播く時期はとても重要です。
8月に入ってから種を播いた人参は、最初の畑では発芽が始まりました。まだとても小さい双葉がでたところで、同じような形をした雑草のほうが元気に見えます。この時期に草取りをしておけば良いのですが、人参と雑草の区別をするには、もう少し人参が大きくなってくれたほうが楽にできそうです。
夏野菜は、そろそろトマトが最終段階です。ナスやピーマンは猛暑のために実が日に焼けてしまったものが増えてしまいました。猛暑が落ち着き、気温も少し安定すれば、また実をつけてくると思います。9月は夏野菜と秋野菜までの端境期になってきます。しばらくや野菜の種類や量が少なくなるかもしれませんが、ご理解ください。
さて、日本有機農業研究会主催のシンポジウムの案内です。9月7日(土)、10:30~16:30、小田急線、参宮橋にある国立オリンピック記念青少年総合センターが会場です。シンポジウムの内容は、農薬の健康への影響です。グリホサートという成分が入った除草剤(ランドアップなど)やネオニコチノイド系農薬の健康への影響が世界的に問題となっています。アメリカでは除草剤を使ってがんを発症したとして、農薬会社が莫大な賠償金を支払う訴訟が起きてもいます。日本は農薬の仕様について楽観的です。ホームセンターなどでは除草剤が山積みされ、農家以外でも家の庭や道路に多くの薬剤が撒かれています。
もしお時間があれば、シンポジウムに参加してみてください。
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