8月
畑情報
雨続きの7月も終わり、8月に入ると35度を超える猛暑の日々です。熊谷では日毎に最高気温が上昇し、35度、36度、37度と猛烈な暑さになっています。
ほんの少し動いただけでも汗が吹き出し、水分を補給すればするだけ汗になる感じです。
この時期は7時を過ぎると暑さを感じるようになります。早朝、太陽が出るころまでは吹く風もまだ爽やかさを残しています。日中は暑さでハァハァしている鶏たちも、朝のうちはまだ元気にしています。鶏小屋は木に囲まれているところにありますが、小屋の場所によっては太陽が当たる時間が長く、ビニールを張っまえている天井の小屋の中は外気よりも数度高くなってしまいます。黒い寒冷紗をかけていますが、太陽の日差しのほうが強すぎて寒冷紗も役にたっていないのです。少しでも陰になる場所が増えるようにと、厚めのシートを屋根にかぶせました。それまでに比べると多少は気温が下がりましたが、いかんせん外気が高すぎるため、早くこの猛暑が収まるのを待つしかありません。
急な猛暑の到来で畑の野菜も戸惑っているようです。雨が多く降った畑は表面は乾きましたが、土の中では水分の多いところがあります。高温になったために表面の水分は急激に蒸発し、それまでの環境が大きくかわりました。野菜によっては生育が停滞気味になっています。ここにきてすごい勢いで熟し始めたのがトマトです。通常、35度を超えるような猛暑が続く夏にはトマトも受粉ができなくなります。花は咲いても実にならずに花が落ちてしまうのが8月です。
ところが今年は7月に気温が上がらず、受粉したものが今になって熟してきました。早い年では8月に入るとトマトが終わってしまうこともありましたが、今年はこれからが収穫のピークになりそうです。
トマトは乾燥を好む野菜で、雨には弱いところがあります。7月に熟したトマトの実は雨のために裂果が多く、収穫前に傷んでいました。梅雨も終わり、晴天が続いたために一気に成熟が進んでいます。ワァーと実が熟し、アッと思ったら終わっていたということになるかもしれません。うちではトマトをジューサーにかけて少しだけ塩を入れたトマトジュースが夏の定番です。冷蔵庫に入れて冷やしたり、氷を入れたりしておくとトマト数個分を使ったジュースが何倍でも飲むことができます。少し熟しすぎたものはミキサーにかけ、その後に詰めておきます。それを冷凍しておくとトマトのない時期にもカレーやパスタなどに入れることができ、とても重宝します。夏野菜の代表格のトマトの旬がやっと来たという感じです。
田んぼは中干しが終わり、品種によってはもうすぐ出穂期です。出穂は穂が出てくることを言いますが、
穂が出てくる前から稲は水を必要としています。
土用のころに田んぼの水を抜き、1週間~10日ほど乾かすことを土用干しと言います。土の中に酸素を供給したり、土中のガスを抜いたり、稲刈りのころに機械が入りやすくするなどの目的で行うものです。水を抜いて数日すると土の表面が乾き、それからしばらくして土にひびが入るくらいまでが干す期間です。
今年はその期間が雨や大雨でなかなか田んぼを干すことができませんでした。太陽もでないために出穂も遅れると思っていましたが、お米屋さんが、今年の出穂も例年と変わらないと言っていたので確認した見ました。
田んぼにある稲の茎を1本抜き、茎を覆っている外皮をめくっていきます。すると茎の中心に穂の赤ちゃんである幼穂が見えてきます。この幼穂が1センチほどになっていれば稲は水を必要とする時期になっています。本当はもう少ししっかりと土を乾かしたいのですが、水を必要とするタイミングを逃してしまうと、収量にも影響が出てきます。これからしばらくは水を入れ、その水が無くなったらまた水を入れるという間断潅水という方法で水管理をしていきます。
今年は田圃に放していた鴨の調子が良くありませんでした。雨が続いた7月には気温の低いことや、太陽が出ないことが影響して死んでしまう鴨が続出しました。そして中干しをしていた田んぼの鴨は、猫や狸?にやられてしまったのか、鳴き声が聞こえなくなってしまいました。稲が生長し、鴨の姿を確認することが難しくなったのですが、水を入れると鳴きながら近づいてくるのが常でした。数日前までは姿を確認していたのに、今年は鴨を田んぼから引き上げることができないかもしれません。
自然を相手にしている農業では、毎年いろいろなことが起こります。合鴨もそうですし、野菜の出来不出来もそうです。その度にへこみますが、切り替えも早くなりました。やることはたくさんありますから。
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