畑情報
だんだんと蒸し暑さが増してきました。天気は相変わらず曇りや雨の日が続いています。時折晴れ間がのぞきますが、太陽は強烈な輝きとなって暑さに慣れていない体を直撃し、くらくらしそうになります。今週は３０度を超える気温の高い日が予想されています。いよいよ本格的な夏の暑さがやってきそうです。
これから本格的な夏を迎える時期ですが、野菜の種を売っている種屋さんに行くと、商品はすでに秋冬野菜に衣替えしています。例年、８月のお盆を過ぎると暑さも一段落してきますから、畑では秋冬野菜の代表格となる野菜の種まきにむけての作業が始まります。
実は、７月も秋冬野菜の種まきの始まる時期なのです。畑に直接種を播く人参は７月中旬から８月のお盆過ぎくらいまでが種まきの適期です。また、冬に入るころに収穫が始まるキャベツやブロッコリーなどの結球野菜も７月の中旬から種まきをしていきます。こちらの野菜は畑ではなく、セルトレイなどに種を播き、ある程度まで育苗をしてから畑に植えていきます。気温が一番高い時期に種を播くので、温度には気を付けないといけません。
キャベツやブロッコリーなどは発芽するときの最適な温度が２０～２５度くらいです。ところが気温は軽く３０度を超え、梅雨が明けると35度や37度といった日が1週間以上も続くのが常です。そんな中で種を播くと熱すぎて種が腐ってしまうことも多くあります。できるだけ高温にならないような日陰などで育苗をすることになりますが、日が当たらないままでは、発芽した苗がヒョロヒョロになり、健康な苗にはなりません。
発芽するまでは納屋などの軒下に育苗トレイを置き、強烈な太陽光を防ぎながら高温にならないように発芽を待ちます。発芽し、ある程度まで育ったら苗を植え替え、しばらくしてから育苗ハウスに移して育苗をする予定です。この育苗ハウスは側面は防虫ネットを張っているので空気の通りがありますが、屋根はビニールなのでかなりの高温になってしまいます。
そこで、光を半分くらい遮断する寒冷紗を屋根の内側に張って、強烈な太陽光から苗を守ることになります。
この時期、野菜の苗にとって脅威なのは害虫です。育苗ハウスは側面を防虫ネットで害虫の侵入を防ぐ作りにしていますが、入り口の扉は防虫ネット仕様になっていません。市販の網戸を利用したり、防虫ネットを張り付けたりしていますが、完全に害虫の侵入を阻止することができません。育苗中の苗はハウスの中にある地面から１ｍほどの棚の上に置くので、その棚をさらに防虫ネットで覆うなどの対策と、飛んでくる蛾などが張り付くように粘着テープを設置しています。そして最終的には、目視で虫や卵を探して駆除することになりますが、老眼のために小さな虫を見つけるのが難しくなってきました。テレビで宣伝しているハズキルーペが必要になりそうです。
キャベツやブロッコリー以外にも、秋冬野菜の種をそろそろ準備しないといけない時期になりました。
８月の下旬には白菜、レタスなどの種まきをしますし、９月になると種まきラッシュです。大根、かぶ、小松菜などの葉物野菜、そして玉ねぎも種を播き、苗を育てる必要があります。稲刈りも９月の中旬から始まりますから、１年でも大忙しの季節です。それまでに畑の準備をし、種を購入しておきます。
畑はつい１０日ほど前に草刈りをしたばかりというのに、もう雑草が大きくなり始めています。本当は草刈りをしたらトラクターで耕し、刈り取った雑草を土と混ぜて雑草堆肥の状態にしておきたかったのです。でも、連日の雨で畑が乾くことがなく、様子を見ているうちに草の勢いが再び増してきたのです。今週の半ばからは晴れる日が出てきそうです。かなり体にこたえそうな気がしますが、晴れたらもう一度草刈りをし、必要に応じて堆肥を散布してからトラクターで耕耘することになります。
この頃の種の傾向は、カラフルなものが増えてきていることでしょうか。一時期、なんでも甘さが強調された種が多いことがありました。今でも甘さを売りにしているものもありますが、大根でも赤大根や中が赤い大根に人気があり、カブでも金色のカブの種もあります。人参も赤一色だったのが、黄色や紫、白人参などカラフルなものが増えています。カリフラワーにしても代以外にも赤や緑、紫など食べるだけでなく見ても楽しいという野菜の品種が直売場を中心に喜ばれているようです。
雨続きの７月が終わると、どんな夏になるのでしょうか。９月、１０月の台風や秋雨なども気になるなかで、どんな品種にするのかを考えないといけません。
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