畑情報
７月に入ってからの日照時間は例年のわずか８％ほどです。曇りや雨が続き、気温もこの時期としては低い日が多くなっています。天気予報では「作物の管理に十分に注意をして下さい」と言いますが、何をどうすればいい、というのが感想です。
雨の影響を受けるのは畑はもちろん、田んぼもです。７月の土用のころは田んぼの水を一時的に抜き、田んぼを干す土用干しの時期に当たります。稲は水が必要な作物ですが、土用干しをすることで土の中に酸素を供給したり、必要以上の分けつを防いだり、稲刈りの時に機械が入りやすくするなどの効果があります。
例年、もうすぐ梅雨明けのこの時期は蒸し暑く、強烈な太陽光が降り注ぎますから、田んぼの土は１週間もすればひび割れが出てきます。軽くひび割れができたところで再び水を入れていきます。稲は穂が出る時期には水を多く必要とします。その後は再び間断潅水と言って、水を入れてそのままにしておき、水が無くなったらまた水を入れるというパターンになっていきます。このサイクルが定着しているなかで、今年の梅雨は土を干すことができずにいます。
また、太陽光の大きな役割は植物の光合成を促すことです。光合成は太陽の光を受けて作物が体内で栄養を作り出す作用です。しっかりとした植物体を作るには大洋の光が欠かせません。曇っていても一定の太陽光はありますから、作物がすぐに枯死することはないですが、生育には影響がでてきます。
そして、一番の影響は土の中の状態です。作物の根がしっかりと伸びるには土の状態が適切に保たれているれることが必要になります。この適切な状態とは、
水分のほかに空気も十分に存在することです。ところが、雨が続くと土の中の水分量が増していき、空気の相がどんどん減っていきます。大雨が降った場合でも数日もすれば水分は減っていき、空気の相が復活してきます。特に土が豊かな状態では回復が早いと言われます。でも、ほぼ毎日のように雨が降り続くと、水分はいつまでも減らず、空気の相も減っていきます。そうなると作物は根を伸ばすことができず、栄養の吸収もできなくなります。
野菜は水分がないと生育が難しい作物です。ただ多すぎると生育が難しくなるものもたくさんあります。
特にピーマンや瓜類は大雨の影響を受けやすく、すぐに根がやられてしまいます。今年は、スイカやまくわ瓜など、前半の生育が良く収穫も多くなりそうでした。ところが、７月に入り雨が続くと、身はなっているのに葉っぱや茎が枯れていくようになりました。こうなると実に栄養が届かず、収穫できたとしてもおいしいものにはなりません。雨が降らない空梅雨も困りますが、雨ばかりのお天気も困ってしまいます。
有機農業で、少量多品目を育てていると、それぞれの野菜によって雨の影響を受けやすいものや受けにくいものがでてきます。もし、数種類の野菜を大量に育てていたら、雨が続いて病気の心配がでたら農薬を使うことになってしまいます。そうしないと、全滅してしまうことを懸念するからです。有機農業の少量多品目栽培は、こうした懸念を減らす技術のひとつでああるのです。
畑はそろそろ人参の種まきをしたい時期にきています。７月の中旬ごろから８月の終わりにかけて何回か種まきをするのですが、今年は１回目の種まきは少し遅れるかもしれません。雨の合間をぬって草刈り機を使って畑の草を刈りました。いつもはハンマーモアという機械を使うのですが、今年は雨ばかりで草を刈ることができず、日に日に草丈が伸びてしまい、ハンマーモアではちょっと厳しいくらいに雑草が伸びてしまいました。そこで、田んぼ用の草刈り機をトラクターにつけて刈ることにしました。畑もまだぬかるんでいて、トラクターでも大変なくらいのところもありました。
細かく刈った草はできるだけ早く耕しておきたいのですが、今、トラクターで耕すと後が大変になります。湿り気を多く含んだ土を耕すとゴロゴロとした塊になってしまい、それが乾くとカチカチの土塊となるからです。また、耕したところもぐちゃぐちゃで、そのあとで種まきができるような状態ではなくなります。今週も雨予報が多いため、梅雨明けをまってから耕して、種まきもそのあとになりそうです。
畑の作業ができない代わりに毎日田んぼの草取りです。田んぼの草も生育が早く、草取りが間に合いません。それでも二人で少しずつでも進むと、草を取った後の稲株は元気に成長してきます。あと３分の１くらいは残っていますが、来週中には終わると思います。こうなると、草取りも修行のようになり、無の境地にたどり着くかも？という感じです。
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