畑情報
先週も雨の日が続いた１週間となりました。週の半ばには熱帯低気圧が台風に変わった、というニュースが流れ、大荒れの天気を覚悟していましたが、少し南にそれていったため、それほどの大雨にもならずにほっとしました。一方で、それまで雨不足だった地域には短時間で激しい雨が降る予報がでるなど、近年のお天気の傾向そのままに、極端な気候が顕著になってきています。
雨が降り続くと畑の作業はできません。日に日に伸びる雑草に気をもみながら、晴れ間が続いて畑の土が乾くのをまっています。この時期の雑草は秋冬野菜のための肥料となります。ハンマーモアという機械を使って細かく砕き、トラクターで耕すことで堆肥となってくれるのです。
それまで農薬や化学肥料を使っていた畑や田んぼから有機農業に切り替えると、その畑の持っている力が見えてきます。土に元気があるところでは雑草の勢いがあり、畑はすぐに草で覆われます。ところが、長年、除草剤や化学肥料を使っていたところでは、最初の１年は雑草の生え方も元気がありません。
土の状態も同様です。この辺の土は粘土質が強く、雨が降るとぐちゃぐちゃに、乾くとカチカチになってしまいます。作物が育つのに良い土の条件は、適度に水分と空気を含んでいることです。土の粒子同士がくっつき、その隙間に空気の相や水分が含まれるようになると、団粒構造ができている、と言われます。
しかし、化学肥料や農薬を続けると、土の中は酸性化になり、微生物の種類や数も減ってしまいます。微生物が減ると土と土とくっつける効果が弱くなり、土の力が弱くなっていきます。土の力が弱くなると、作物の生育も悪くなるため、必然的に化学肥料を多くし、病気も出るので農薬を使うということになるのです。
有機農業の技術はその反対です。土の力を強くするためにどうするかを考え、堆肥を入れて微生物を増やし、多様な生き物が住める土を作ることで作物を元気に育てる方法です。
この時期の雑草は多様です。根っこを土の中深くに伸ばすものや、根を横に広げていくものなど、雑草の中でも生存競争が展開されています。その多様な雑草を堆肥として取り込むことで土の力も多様になるはずです。
雨が続き、畑での作業ができないときは、田んぼの草取りが作業の中心です。少し離れた場所にある有機の田んぼは、合鴨を入れたのですが、鴨の調子が悪く、大雨のたびに体力のない鴨たちが死んでしまいました。そこで、昨年田んぼに入れた鴨を６羽ほど、試しに田んぼに放してみました。
大きくなっている鴨は稲よりも体が大きいため、たくさん入れると稲を倒してしまう心配があります。稲がもう少し大きくなったら追加して放す予定ですが、今のところは様子を見ている状態です。小さな鴨と違って、大きくなった鴨たちはあまり田んぼを動き回ることはせず、小屋の中でのんびりとしています。本当は雑草をたくさん食べてほしいのですが、慣れるまでは今の状態が続くのかもしれません。
そんな鴨を横目で見ながら田んぼの草取りを続けています。田植え後のチェーンを使った除草から、手押し除草機を使っての除草もしましたが、数日後には生き延びた雑草が勢いを取り戻していました。結局、時間はかかっても手取りによる除草が一番効果があるので、時間をみては田圃に入り、稲株の周りも含めて雑草を取っています。
雑草を取りながら前を見ると果てしなく続く雑草がまっており、気持ちがめげますが、草取りをした後を振り返ると、きれいになった田んぼに再びやる気がでてきます。そんな地べたを這うような草取りですが、意外と無心になることができるのです。２時間ほどの草取りで進める範囲はわずかですが、時間が過ぎるのを忘れ、時に妄想をし、時に雑草に語り掛けながら、田んぼにいるのも良いのかもしれません。
今週末は、行田市にあるレモンカフェがガバレに出張してきます。梅雨明けを前に、皆で飲んで話して、ちょっとだけ音楽を聴く、という飲み会です。場所はベタブラハン＝光の家、と名を付けた納屋です。納屋も蚕屋も人が集まれるような場所にしたいと思っている空間です。でも、日々の作業に追われてしまい、恒例のイベント以外では思うように活用できていないのが現状です。こんなことも、あんなこともできそうだ、と思いながら、それを実際の動きへとつなげるにはエネルギーが必要です。地域の抱える課題、環境や子どもを取り巻く課題など、有機農業をベースにした取り組みが課題を解く可能性を感じるのですが・・・。
週末のカフェを楽しみながら考えることにします。
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