畑情報
5月の雨不足から一転、梅雨にはいって大雨の日が続いています。田植えをしたばかりの田んぼでは、植えたはずの稲の苗が水没し、一面が池のようになっているところがありました。大規模農家は田植え作業をしながら麦刈りをするという、忙しさがピークの時期です。梅雨の間に麦刈りをするのは毎年のことですが、あまりに雨が降りすぎると麦の品質にも影響してきます。何事も適度が一番なのですが、どういうわけか、お天気は極端になる傾向が強くなっています。
先週も合鴨のことを書きましたが、この1週間も合鴨に心を痛める日々が続きました。家の前の田んぼと、少し離れた、今年から鴨を入れる田んぼの2か所に鴨を放して1週間。家の前にある田んぼは2つに区切ってネットを張っています。そのうちの一つに放した鴨たちは比較的元気に成長しています。放した時と比べると体も倍くらいに大きくなっています。
一方、今年から鴨を入れる田んぼは4反強の広さがあります。2反の田んぼが2枚、隣り合わせになっているので、ネットと電柵は2枚の田んぼの周囲に張りました。鴨たちが休憩できるように、簡単な小屋も設置し、いざ放鳥したのですが、なかなかこちらが考えているようには行きませんでした。
鴨を放してしばらくすると大雨が降りました。鴨の小屋は天井の一部にトタンをはり、雨がかからないようになっています。設置した場所もトラクターなどが田んぼに入るところで、土が見えているところが鴨たちが休憩する場所になる予定でした。
田んぼに放すまでは、家の前にある鴨小屋で水慣らしをしていたのですが、急に知らないところへ連れてこられ、わけのわからないうちに広い田んぼに放された鴨たちは戸惑ったのだと思います。小屋の中には入らずに、小屋の隣にある畔のところで固まって休むようになりました。そこへ大雨です。水鳥とは言え、まだ赤ちゃんと同じ鴨にとって、大雨が降り続くと体が冷え、寒さをしのぐために一か所にかたまって休んでいたのだと思います。そうすると体の小さなものは上からの圧力でつぶされ、他の鴨たちも体が冷えたことで体力がなくなり、放した鴨の半分ほどが死んでしまいました。
17日には、地元の小学校の田んぼに合鴨を放しました。今年は15羽しか持って行くことができず、田んぼも半分に区切っての放鳥となりました。
大阪から届く合鴨は2回に分けて送ってもらいます。最初の鴨は家の前にある田んぼに放す分、2陣は小学校の田んぼプラス鴨の数が足りないところへの補充用です。今年は昨年から4反分を新たに鴨を入れる田んぼとしたので届けてもらう鴨の数も多くなりました。予定していた数と実際に田んぼで元気に活動している鴨の数は大きく減ってしまいましたが、小学校の田んぼも含め、鴨を放す予定の田んぼ前部に鴨が入りました。これからお盆までの約2か月、田んぼで鴨たちに頑張ってもらいたいと思います。
畑の様子ですが、これまで乾いていた畑は、大雨が降ったことで十分すぎるお湿りとなりました。田植え、合鴨の放鳥、そして田んぼの草取りに作業の重点が置かれたいたために、夏野菜や雑草も一気に元気になりました。収穫に行くたびに雑草が大きくなるのが気になっていますが、優先順位をつけると、まずは田圃の草取りが第一です。畑の場合、ハンマーモアや草刈り機を使えば雑草も目立たなくなり、そのあとでトラクターで耕していく予定です。雑草が元気なのも梅雨の間が最強です。雨が多いと畑に入ることができず、それが雑草の成長を加速させるのです。
ただ、雑草は緑肥と考えられます。土の栄養を吸収し、大きく育った雑草を刈り、再び土に戻してあげることで畑の土も豊かになっていきます。収穫のたびに大きくなる雑草を緑肥と自分に言い訳しながら、いつ草刈りをしようかと考えています。
今週末は、恒例となった東京のみみずクラブ主催の田んぼの草取りとうどんつくりツアーがやってきます。江東区で田んぼの講座を企画している団体が、本当の田んぼで合鴨と一緒に草取りをしたい、と20名ほどの家族ずれを連れてきてくれます。ほは自分たちでうどんを作って食べ、お昼からは鶏のエサやりや畑でキュウリを収穫したりと、農家の暮らしの一部を体験します。実家が農家という人や、田舎があるという人も減少傾向にあるようですから、ガバレが田舎の帰る場所という感覚の人もいるかもしれません。
小学校の合鴨放鳥体験も子供にとっても、先生にとっても貴重な体験の場として定着しています。40年以上も田んぼを学校に提供している農家の方がいてこその体験の場です。子どもたちには小さな合鴨を手に乗せた感覚を覚えていてほしいと思います。
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