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執筆者の写真Hiroaki Ehara

かけだし情報1183

畑情報

例年以上の大型連休も終わりが近くなりました。元号も平成から令和に代わり華やいだ雰囲気の初夏になりました。ただ、この時期は農家にとっては一年でも一番忙しい季節です。夏野菜の植え付け準備、稲の種まき、田んぼの準備と、次から次に作業がやってくる感じです。ゆっくりと休むということはできませんが、夕方からバーベキューをしてみたりと、ちょっとだけ休みの気分を味わいました。

鴻巣周辺の田植えは5月の終わりごろから6月中旬ごろが最盛期です。でも、大規模農家などでは田植えをする面積も広大なために、この連休頃から田植えをするところもでてきました。2か月近く、田植えをするような規模の農家では違うかもしれませんが、小さい面積で米つくりをしている農家にとっては、専業でも兼業農家でも田植えは大きなイベント的な感じがあります。

ガバレでも、毎年、稲の種まきには親戚の手伝いがやってきて、お昼は出前をとるなどして、お盆やお正月とは違う意味で、一族が揃う機会となっています。うちの子供たちはそれぞれの場所で仕事があるために、全員は帰ってこられませんが、次男は成田の農場で休みが取れたと言って、種まきの手伝いに戻ってきてくれました。

稲の種まきは苗を育てる箱に土を詰める作業を午前中に行い、午後からが種まきです。大規模農家では2000枚もの箱に種を播く作業を何日間か行うところもありますが、ガバレでは450枚の苗箱に種を播きました。

種を播くのは機械を使います。でも少し古い機械なので、土を箱に詰める作業は前もって済ませておく必要があります。田んぼは有機と慣行と両方をしているため、苗を育てる育苗には農薬や化学肥料は使いません。まず、トラックで運んでもらった山土をふるいにかけ、細かくしたものに有機JASでも使える肥料を混ぜる作業をします。これも親戚から借りてきた機械を使って土と肥料を混ぜます。ただ、一度に混ぜることのできる量が限られているために、この土を混ぜる作業は朝早くからしておかないと、詰める土が作業に間に合わなくなってしまいます。

肥料と混ぜた土を機械にいれ、そこに空の苗箱を通します。ちょうどよい量が箱に入るように調整したら、次々と苗箱を機械に通して土を詰めていきます。土の入った苗箱は25枚を重ねて置いておきます。稲の種は全部で5種類、それぞれが播く枚数が違いますから、25枚づつ重ねてある箱の数で枚数を確認するためです。

450枚の苗箱に土を詰める作業は約2時間かかりました。そして、お昼をはさんで午後からは種まきです。種の品種は、キヌヒカリ、彩のかがやき、彩のきずな、大地の風、そしてもち米です。一番多く播くのが彩のかがやきで、もち米はわずか10枚です。

土を詰めた苗箱はコンベア式に移動します。まず最初は種が落ちてくる場所を通過します。一枚の苗箱に播く種の量はできるだけ少なくしています。種もみを水に浸けてもので約100cc。想像はつかないと思いますが、昔に比べると約半分の量になっています。

種の量が少ないと、田植えをしたときに植えていない欠株がでることがあります。また、一か所に植え付ける苗の本数も2~3本になります。このほうが後々、苗が丈夫に育ち、病気にも強くなると言われ、今では多くの農家が少ない本数の苗を植えるようにはなっています。でも、昔は一か所に多いところでは10本以上も言えているところもありました。そのほうが田植えをしたという安心感があるようです。

 種まきの時もおじいちゃんは、もうちょっと種の量を増やしたほうがいい、と毎年の口癖です。でも、田植えにころになると太くて丈夫な苗に育つので、少ないほうがいい、と思うようですが、1年もたつとそのことを忘れてしまうようです。

 種のところを通過すると、散水の箇所があり、たっぷりと水を含ませてから、土を掛ける所を通って一連の流れは終了です。機械を通ってきた苗箱を一輪車に積み、苗代へと持って行きます。品種ごとに並べて、土が乾かないように、また、保温と鳥に芽を食べられないように被覆をかけます。ここしばらくは、不織布で保温をし、その上からシルバーのシートをかける方式です。2~3日後に芽が出てくれば一安心です。

田植えのご案内

今年の田植えは6月2日、日曜日午前9時からです。

皆さまのご参加、お待ちしています。

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