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執筆者の写真Hiroaki Ehara

かけだし情報1174

畑情報

皆さんは狸寝入りという言葉をご存知だと思います。都合が悪くなると寝たふりをしてみたり、難しい問題に直面すると眠気が襲い、急に寝てしまうようなことが私にもあります。

つい数日前、午前3時ごろに鶏が騒ぐ声で目が覚めました。眠いし寒いし、外に出るのが嫌で、しばらく耳を澄まして様子をうかがっていました。鶏小屋の周りを猫などが通ることもあり、それに驚いた鶏が騒ぐことがよくあるからです。

ところが、その時の鳴き声はいつもとは違う切羽詰まったものがあり、何か野生動物が鶏小屋に入っている時のものでした。懐中電灯を持って鶏小屋に駆け付けると鶏たちは小屋の中で興奮した状態でした。

小屋の中に入り、懐中電灯で中を照らしてみると1羽の鶏が倒れていました。そして、固まっている鶏の中に別の生き物の姿がありました。

ここ何週間か、台所の生ごみをたい肥に積んでいるところや、鶏のエサ用に魚やオカラを発酵させているところに狸が出没しているのを見かけていました。

その時は皮膚病か何かの原因で体の毛が抜けている裸状態の狸でした。

 鶏小屋の中にいたのは丸々と太った狸で、毛もふさふさとしていました。懐中電灯に照らされて狸もあわてている様子で、小屋の中を逃げ回り、金網をよじ登って脱出を試みています。狸が移動するたびに鶏たちも驚いて騒ぎまわり、小屋の中はパニック状態となりました。

 野菜の支柱に使う長めの棒があったので、金網をよじ登っている狸を叩きました。すると床に降りた途端にぐったりとして動かなくなってしまいました。もしかして死んだ? と思い頭のあたりを軽く叩いてみると急に起き上がり、再び小屋の中を逃げ回りました。

 最終的に、入り口を開けて置き、そこから逃げ出したのですが、小屋の中を逃げ惑う中でもう一度、死んだようになったことがありました。

 翌朝、その出来事を奥さんに話すと、生の狸寝入りを見られるなんてラッキー、と言われました。調べてみると、狸は臆病は動物で、怖いことや驚いたことがあると失神してしまうのだそうです。山で猟師が鉄砲を撃つと、その音に驚いて狸は失神してしまい、死んだと思った猟師が近づくと、目を覚ました狸は逃げていく、ということから狸寝入りと言われるようになったようです。ジブリの映画、平成ぽんぽこではありませんが、人間に化けている狸がいるような気がしてなりません。

 先週は、東京で雪が降るなど寒い日もありましたが、

春を感じさせるような暖かい日もでてくるなど、季節が移り始めていることを感じました。育苗ハウスでは小松菜や水菜の種が発芽をし、キャベツも小さな芽が顔を出してきています。

 昨年の作業記録を見ながら同じ時期にする作業を確認しているのですが、2月の中旬には、1回目の踏み込み温床の準備をしていました。ナスやピーマンの種まきは20日過ぎにしています。ということで、週末の土曜日に、今年最初の踏み込み温床を作りました。

落ち葉に発酵を促進するための米ぬかと鶏糞を加えて、水をかけ、踏み込むという作業を繰り返していくのが、踏み込み温床作りです。順調にいけば数日後には発酵が始まって温床の温度が上がり、60度を超えるくらいになります。その後、徐々に温度が下がって30~40度で安定したら、ピーマン、ナスの種を播いたトレイを温床に置き、夜間はビニールをかけて保温をしていくと、数日後には発芽を始めます。

 最初に種を播くのは育苗期間の長いピーマンやナスです。その後、2回目の温床を作り、3月上旬にはトマト、そしてキュウリやカボチャなどの種まきをしていきます。

 3月初旬になると今年もヒヨコがやってきます。先週から、ヒヨコを入れる鶏舎から鶏糞堆肥を運び出す作業を始めました。今週は堆肥を運び出したあとに藁、もみ殻を20~30センチほど入れ、ヒヨコの育雛に備えます。運び出した鶏糞堆肥は、一部は米ぬかなどと混ぜてもう一度発酵させ、ぼかし堆肥を作る予定です。

 また、2月の終わりには米麹を仕込みます。これは味噌を仕込むためのものです。味噌は3月に入ってから仕込みます。暖かくなるにしたがって、作業もどんどん増えていくのが春先です。

鴨の会

 今年の鴨の会は、3月10日と31日の2回、実施する予定です。会費は食事込みで大人2000円です。

もし参加される場合は、どちらに参加するかを教えていただけると助かります。

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