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かけだし情報 1312

畑情報


 週末からいきなり春のような陽気になりました。お天気ニュースでは4月上旬並みの暖かさと伝えていました。このまま春に向かうのかというと、まだ寒気の南下もあり、冬のような寒い日と春のような温かい日が交互にやってくるようです。

 この夏までの長期予報も発表されましたが、それによると今年の夏は猛暑が予想されているようです。熊谷で歴代最高気温を出した年と同じくらいになるという記事もありました。ここ何年かは曇りや雨が続く日が多く、不安定な夏が続いていましたが、予報通りに厳しい暑い夏になるのでしょうか?

 暦は早いもので3月を迎えます。これまでは寒さもあって、畑の作業ものんびりした感じでいました。でも、急に春のような陽気になったこともあって、少しずつ気持ちがそわそわと落ち着かなくなってきました。

 3月に入ると、それまで厳しい寒さを耐えてきた野菜たちが一斉に春の準備に入っていきます。まだもう少し収穫できると思っていた小松菜などのアブラナ科の野菜は蕾が形成され、花を咲かせようとしてきます。この蕾自体も少し苦みがあって茹でて食べるとおいしい春の旬の味ですが、できればもう2週間ほどはトウが立たないままでいてほしいというのが農家の気持ちです。でも、蕾をつけ、花を咲かせて種を残すのが植物の本来の姿です。畑中に広がる黄色い菜の花を眺めながら、植物の一生や自然の循環を感じることができるのも春ならではと思います。

 3月から4月にかけての2か月ほどは野菜が少ない時期にはいります。前に書いたように、もう少し収穫できると思っていた葉物野菜は次々にトウが立ち、花を咲かせます。トウが立つのが遅い品種を育ててはいますが、冬の間とは違って花を咲かせるまでの時間は短くなります。できるだけ端境期を短くしようとトンネルを使ったりもしましたが、このトンネルは強い北風で何度もビニールが飛ばされたことがあり、再挑戦する意欲がないままです。

 しかし、今年は新しく建てたビニールハウスを利用することで、風による被害を受けずに野菜が育てられるようになりました。とはいっても約60㎡ほどのハウスですから、それほどたくさんの野菜を育てることはできません。まずは、比較的短期間で収穫できる水菜や小松菜の苗を植え付けました。

 直に種まきをしてもよいのですが、まだ夜間は寒い日があるので発芽までに時間がかかります。そこで、いったんセルトレイに種をまき、それを温床で発芽から本葉が2~3枚ほど出るまで育ててから苗を植える方法をとっています。2つあるハウスのうち、1つのハウスには小松菜と水菜の苗を植え、春大根とカブは種を直播しました。大根とカブはやっと芽が出たところですが、植え付けた小松菜は少しずつ成長しています。

 今秋にはもう一つのハウスにキャベツとレタスの苗を植え付け、時期をずらして種をまいた小松菜などの葉物野菜の苗を植え付ける予定です。そして3月も中旬になれば露地に種まきをできるようになるので、ハウスから露地へと種まきが移ります。

 温床のある小型育苗ハウスでは、2月にまいたピーマンが発芽してきました。種類によって早めに発芽したものもありますが、9割ほどの種が発芽し、残りも土が盛り上がってきていますから、すぐに芽をだしそうです。ナスの種をまいたトレイも温床に置いていますが、こちらはもう少し発芽までには時間がかかりそうです。

 このピーマンの発芽がそろい、本葉が出るようになったら少し大きめのセルトレイに移植して行きます。種を巻いたときは200穴のセルトレイですが、次は72穴のものへと移します。そうなると電気を使った温床マットでは収まりません。そこで、育苗ハウスの中に落ち葉を踏み込んで作る踏み込み温床を準備します。あまり早く踏み込んでしまうと温床の温度が下がってしまうので、ピーマンの苗の生育に合わせるように踏み込みしていきます。たぶん、今週末から来週の初めくらいがタイミングとしては良さそうです。苗を育て始めるとその日のお天気によって、温度の調整や苗への水やりに気を付けないといけなくなります。せっかく発芽しても、ちょっとした不注意で苗がだめになってしまうこともあるので、しばらくは気を抜けません。苗の成長とともに春が本格化し、初夏へと季節は進みます。


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