畑情報
新年になり、あっという間に10日が過ぎました。
先週は思いがけず雪が降り、畑や屋根も真っ白になりました。大雪にはなりませんでしたが、冷たい空気がいつまでも続き、翌朝は道路も凍っていました。
落ち着きを見せていたコロナの感染がまた増加傾向に転じました。年末年始のころに比べると急激な増加です。我慢が続き、ようやくほっとしたのも束の間で、今度はどこまで広がるか心配です。
ウイルスは野生の世界でも発生しています。昨年ほどではありませんが、鳥インフルエンザの発生がこの冬も各地で確認されています。埼玉県でも県北の養鶏場で発生しました。
日本の養鶏は外界とは完全に隔離した状態で何万羽、あるいは百万羽規模で管理する養鶏場が多く、鶏たちは数羽が一か所のゲージ内で動くこともできずに卵を産み続けているのが現状です。
最近になって動物福祉という概念が言われるようになって、ヨーロッパではゲージに押し込めるような飼育は禁止となっています。日本ではなかなかヨーロッパのようにはいきそうもありません。その理由の一つとして考えられるのは、家禽や家畜の飼い方について関心を示す人がほとんどいないことがあると感じています。犬や猫などペットの飼育には敏感でも、普段食べている卵や肉がどのように生産されているかについては関心が低いのです。
野菜やお米など農作物は畑や田んぼが身近にある場合も多く、管理方法まではわからなくても、育っている野菜や稲は見る機会はあると思います。でも、鶏や家畜は匂いのこともあり、住宅地からは隔離された場所にあることが多く、さらにウイルスの持ち込みを防ぐために敷地内に入ることも禁止されています。
また、鶏や豚などはスーパーで肉として売られていますが、肉になる過程を積極的に知らせることはありません。そのため、子どもに(大人もかも?)鶏の絵を描かせると、スーパーの鶏肉を描くという現象もあるという話を聞きました。鶏や豚などがスーパーなどで肉として売られるまでには育てている農家、屠畜や解体をしている人などがかかわっています。動物福祉の考え方が日本で広まるためには、まだ多くの課題がありそうな気がします。
ガバレ農場には、11月に来た役100羽のヒヨコを含め、4つの鶏舎に350羽ほどの鶏がいます。鶏舎がある一帯を管理区域として、無断で立ち入ることを禁止する区域にしています。鳥インフルエンザのウイルスは、渡り鳥が運んでくるため、ウイルスに感染した渡り鳥の糞であったり、それに接触した野生の鳥や動物が持ち込むなどして発生すると考えられています。
そのため、管理区域に入る人の制限や、入る際に専用の長靴に履き替える、手指の消毒をすることにしています。また、各鶏小屋に通じる通路には消石灰を散布し、小屋の入り口にも消毒液や消石灰を入れた箱を用意しています。以前はイベントの際に子どもたちに卵を取ってもらったり、餌やりをしてもらったりしましたが、しばらくはそれもできそうにありません。
今、鶏などを飼育する場合は家畜伝染病予防法に基づいて県の家畜保健所に申請することになっています。100羽以上の飼育では毎月の報告が必要になっています。先日、保健所の方が来て、鳥インフルエンザに対するモニタリング採血をしていきました。結果はまだ聞いていませんが、鶏の様子を見る限り、特に異常はないと思っています。
農業の月刊誌である現代農業の今月号の特集は野菜などの品種についてです。毎年、この時期の特集は種ですが、その年ごとにメインになるものが違っていて、その時々の傾向が見て取れます。今年のメインは「映え」です。インスタやメルカリ、直売場で映えるのはどんな品種なのかが紹介されています。ここ数年で、大根にしても、ニンジン、トマト、ナスなど多様な品種が登場してきました。また、有機農業にむく品種というコーナーもありました。現代農業では有機農業に関する特集が組まれることも多くなり、農家の関心も少しずつ変化してきていることを感じます。
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