畑情報
朝夕の冷え込みがだんだんと強くなってきました。特に良く晴れた明け方は放射冷却のために野菜や草たちに露がついています。先週からは水滴が霜に変わってきました。収穫も素手で大丈夫だったのが、水を通さない手袋をしないと手指が冷たくなってしまうくらいです。遠くに見える秩父連山や雪をかぶった富士山もきれいに見える日が増えてきました。日中はまだ汗ばむような日もありますが、冬がすぐそこまで来ていることを感じます。
冬を感じると鶏たちの産卵も減ってきます。本当は自然に任せるのが一番なのですが、あまり卵を産んでくれないのも困るので、鶏小屋に電球をつけ、タイマーによって夕方と明け方にライトが付くようにしています。鶏は日長が短くなることで冬が来たことを感じるので、少し人工的な光を当てることで、まだ冬は来ていないよ、と勘違いをさせるのです。
それでも、寒さがもっと厳しくなると産卵は急激に減ってきます。大規模な養鶏場では太陽の光が一切届かないような施設の中で、人工的な光によって日長を一定に保っていますが、平飼いの鶏たちは太陽の光も、風も自然のままの状態にいるので、電球の光による錯覚には限界もあるのです。
冬になると怖いのが鳥インフルエンザです。昨年はこれまでで最大規模の鳥インフルエンザ感染が発生し、100万羽を超えるような養鶏場を含めて多くの地域での発生ありました。今年もすでに秋田県、が鹿児島県で陽性が確認され、鶏が処分されています。
渡り鳥が原因を見られていますが、これから春先までは鳥インフルエンザへの対応に気を付ける必要があります。
そんな中、11月5日には新しく100羽のヒヨコが届きました。年に2回、春と秋にヒヨコを入れるようにしていますが、11月に入れるヒヨコは冬へ向かう時期に成長していくので、寒さへの対応に気を使います。ヒヨコが届いてから2週間ほどは40度くらいを保てるような温かい場所を作っています。
今回はコタツを利用して上から温めるのと、ヒヨコが寝る場所の床下は、オカラと米ぬかを混ぜたものを入れました。オカラと米ぬかによって発酵が始まり、ちょうど床暖房のようになるからです。また、発酵するときにでる適度な蒸気も乾燥を和らげる効果があり、ヒヨコが快適に過ごせるようになります。
届いてから約10日が過ぎたヒヨコたちは一回りほど大きく成長し、餌も良く食べるようになりました。
今週中にはコタツの電気も切り、鶏小屋全体にヒヨコたちが出ていけるように育雛用の箱を開放できるかもしれません。
野菜の生育も気温の低下とともにゆっくりになってきました。順調に育っていた小松菜や水菜は最初に種まきしたものはもう少しで終了です。種は何回かに分けて播いていますが、播く時期が遅かったものは収穫までにはもっと時間がかかりそうです。このまま冬を迎えるとさらに生育は遅くなるので、不織布をかけて保温することになりそうです。
先週、トレイに種を播いた小松菜などは育苗ハウスの中で育苗をして、ある程度の大きさになってから畑に植え付ける予定です。もちろん、露地では育たないので、ビニールのトンネルをかけて保温し、ある程度の大きさになったらビニールを外して寒さにあてていきます。そうすることで野菜の甘さが増してきます。玉ねぎの苗はもう少し植え付けが残っています。一度に済ませてしまえばよいのですが、他の用事もしながらになるので、気が付くと夕方近くから植え付けを始めるようになっています。今の季節、4時になると太陽が沈み始めてきます。夕日のなかで富士山のシルエットが見える畑で作業をしていると、ついついその美しさに見とれてしまいます。そして、植え付けは翌日へと延ばすことになるのです。農作業はしたばかり向くことが多いので、時々は空の大きさに癒されることも必要です。
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