畑情報
暦の上で7日は立冬、冬の始まりです。実際のお天気は小春日和のような温かい日差しがある一日でした。近隣の農家でも稲刈りはほぼ終わりましたが、麦や大豆を栽培している大きな規模の農家にとっては、麦の種まき、大豆の収穫とまだ忙しい時期が続きます。今年は台風や大雨の被害が比較的少なかったので、稲刈りや麦まきの準備も順調に進んでいるようです。
一方で、長期予報ではラニーニャ現象による影響が出てくるといっています。寒気と低気圧による大雪の被害などを心配することになるのでしょうか？
折しも、英国でCOP２６，国連気候変動枠組み条約締約国会議が開かれており、地球温暖化対策や、温室効果ガスの排出を2050年までにゼロにするための方策を話し合っています。
ここ何年も世界規模での異常気象が頻発しており、大雨や洪水、乾燥による山火事、40度を軽く超える猛暑の発生などが当たり前になってきました。
私たちの身近でも気候変動による作物への影響を感じることが増えています。今年、柿の木は夏の終わりごろには葉っぱが落ちはじめ、これから実が熟すという時期にはほとんど葉のない状態になっていました。春先の絹さやなども収穫の期間が短くなってきている気がします。稲への影響も年ごとに違っており、猛暑による乳白米の発生があったかと思えば、曇りや雨が続いたために成熟できない小米が多い年があるなどしています。田植えのタイミングが1週間早いか、遅いかによって稲の生育が大きく違ってしまいます。
テレビのニュースでは羅臼の漁師がサケが獲れなくなったと嘆いていました。暖かい海にいるはずのブリが大量に網にかかる一方で、サケは数匹しかいない現象が続いています。
日本農業新聞によると、温暖化の影響によって、今世紀末の世界の穀物収量が大幅に落ち込むと予想しているとの記事がでていました。トウモロコシは現在より24％減、大豆や米も2％減となっています。
この予想は、2014年の時点ではいずれも増加するとなっていました。トウモロコシでは1％、米に至っては２３％の増加と予想していたものが、大きく減少へと予想が変わったのです。世界人口は増加する一方で、穀物生産は減少に転じるため、食料不足が深刻化する懸念が高まっています。
COP26が開催されているとき、声を上げたのが世界の若者たちです。温暖化による影響を受けるのは、
年を取った大人ではなく、自分たち若者であるとして、何年もかけて対策を講じるのでなく、今すぐに実行する対策をとる必要があるとしています。
先日行われた衆議院選挙期間中、北海道のお米が美味しくなったのは農家やＪＡの努力ではなく、温暖化のおかげ、と演説した大臣がいました。あまりにも危機意識がなく、また農家や農業の大切さをないがしろにしている人が国の中心にいると思うと、怒りと同時に情けなくなってしまいます。若者たちも、国を動かしている人たちの意識の低さにあきれていました。
環境政策においても、有機農業の支援などでも日本は世界の中で遅れている国となっています。ヨーロッパや韓国、中国などでも有機農業の比率は年々伸びを見せており、有機農産物のシェアも大きくなってきています。
日本でも有機農業の拡大を掲げていますが、その方策はスマート農業の推進など、有機農家の支援というよりも、有機農業分野に企業が参入しやすくすることに重きが置かれているようです。自然農や多品目栽培を行うような小規模の農家が増えることが,
温暖化対策には有効だと思いますが、それでは企業が参入する必要がなくなってしまうからでしょうか。
何を目的にしていくのかが、有機農家と政府では大きく違うのを感じます。
環境関連の記事でもう一つ紹介します。フランスはプラスチック包装の規制強化に乗り出すことになったそうです。2020年に施行された循環経済法によって、2022年1が鵜から原則として、小売店で1.5ｋ未満の青果物のプラスチック包装を禁止としました。
ネギやナス、ジャガイモやリンド、ミカン類などは1月1日から禁止となり、ミニトマトやブドウなどは
2023年6月からなど、品目によって緩和処置が段階的になっています。
日本ではまだプラスチック包装が主流です。これは有機農産物でも一緒です。個別にお届けする場合は、新聞などを利用することもできますが、流通や小売りでは鮮度を保つことや見た目の良さから別の方法へ変える動きは出ていません。昔の八百屋スタイルは、本当は環境にやさしい売り買っただったのだと、改めて思いました。
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