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かけだし情報 1291

畑情報


 猛暑から一転して、肌寒さを感じるような雨と曇りの日々が続いています。涼しくなるのは良いのですが、急な天候の変化に体がついていくのが大変な感じもしています。動くだけでも汗をたくさんかいていた方が体が軽かったように思いますが、まだ9月に入ったばかり、この先も残暑が厳しいお天気がやってくるのでしょう。

 雨が降り、なかなか太陽が顔を出さないので秋冬野菜の種まきや植え付けが遅れ気味になっています。大雨というほどではないので畑の作業もできなくはないのですが、種を播こうと思っても雨が降っていては播くことができません。先日も大根の種を播いているときに雨が降り出しました。もう少しで終わるからと作業を続けていましたが、種が濡れてしまうと指についてしまい、一つの穴に3粒~4粒を播こうと思っても、うまくいきませんでした。スマホのアプリにある雨雲レーダーを見ながら、あと30分で雨が降ると出ていたので、大丈夫と思ったとたんに雨が降り出すこともあり、なかなか思うようにいきません。アプリに頼らず、風や雲の動き、匂いなど5感をフルに活用できれば良いのですが、すっかり感覚は鈍っています。

種まきや植え付けなど、農業での作業は意外と下を向いていることが多く、空を見上げることは少ないかもしれません。作業の合間、あるいは仕事終わりにふと見える夕焼け雲や、秋を感じる鱗雲などは疲れを忘れさせてくれるきれいな光景です。せっかく開けた空間で仕事をしているのですから、これからはもっとその時々の景色を感じるように心がけたいと思っています。

さて、農業や家庭菜園向けの雑誌である農文協の現代農業の今月号の特集は「有機農業ってなに」でした。農水省が2050年に有機農業面積を200万haにするとしてから、時代は有機農業に向かっている、と感じさせる記述を見かけることが増えてきました。

そんななか、日本農業新聞には、有機農業先進国のスイスに関する話題が載っていました。スイスは農業環境対策でEUをリードしている存在で、今後の方向を考える際に、スイスの動きが世界の基準へとなっていく可能性もありそうです。

 世界的な環境保護団体が、きれいな飲料水と健康的な食料のため、農薬と予防的抗生剤の使用に対する補助金をなくすという国民発議を2018年に出しました。それとは別に、フランス語圏の市民が、合成農薬のないスイスを目指してという発議を出し、農業・農村では10年以内に農薬使用禁止、合成農薬を使用した食品の輸入禁止を提案しました。

この二つの発議は国民投票によって否決されたようですが、それぞれ40%近い人が賛成に投票しています。

 この二つの発議が可決されることを阻止したい保守派が推し進めたのが、「農薬のリスクを削減する法律」です。この法律によって政府は、農薬が地表水や動植物生息地に及ぼすリスクと地下水へのダメージを27年までに半減する目標を定めました。農業者以外の農薬の使用も規制し、国は農薬の使用を記録する中央情報システムを設け、入力を農薬使用者に義務付けています。また、農業部門の過剰なリンの流出などによる損失を30年までに削減する、濃厚飼料と肥料の出荷には報告を義務付けて、政府が過剰養分の収支表を作成できるようにする。としています。

 一方で日本の現状はスイスとはほど遠いところにあり、農水省が進めるみどりの戦略も絵にかいた餅になりかねないという人も少なくありません。それでも、今の若者たちは環境や自然保護などについては、私たち以上に知識と関心を持っている人は多いので、若い世代が社会を動かす原動力になる可能性は持っています。有機農業でも、若い人たちがもっと入ってこられる環境を整えることができれば、有機農業のみならず、農業に関わる人口は増えていくかもしれません。

 先週行われたシンポジウムでも、有機農業や自然農を中心として、そこに関わる人たちの小さな循環を作ることが大切だとの発言がありました。その循環を広げるための地域は、その地域に流れる川の流域が望ましいとのことでした。

 今、放送中の朝ドラでも言っていましたが、山と海は川でつながり、山の恵みが海の恵みをもたらすのです。山が荒れれば豊かなミネラルを含んだものが川を通して海に流れ着くこともなくなり、海の生き物はいなくなってしまいます。川の流域に暮らす人たちが川を汚せば、それもまた同じように海を汚すことになります。日本でもスイスと同じように身近で環境を感じることができるのに、まだ意識が追い付いていないのが残念です。

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