畑情報
8月下旬になっても連日35度を超えるような猛暑と蒸し暑さが続きました。9月の気温も高めの予報が出ていますが、このまましばらく厳しい残暑が続くのでしょうか?
鴻巣市周辺の田んぼは、5月の連休ごろに田植えをした早生品種の稲刈りがそろそろ始まりそうです。田植えの時期によって稲の生育も異なり、中干が終わったばかりの田んぼもあれば穂が出始めているところ、稲穂が色づき始めたところなどが入り混じっています。夏の終わりはまだ先ですが、稲刈りが始まると秋を感じるようになり、農作業も一気に忙しさを増してきます。
今年は雨が多かったために、畑の準備も草刈りをしてからとなっています。1週間前に草刈りをしたばかりのところでも、気が付くと草丈が20センチほどになっていて、トラクターで耕す前に、ハンマーモアを使って草を細かく砕く作業をしています。背丈のある草をそのまま耕すよりも、細かく砕いたほうが分解も早くなり、種まきや植え付けもしやすくなるからです。
葉物野菜や大根、カブなどが秋冬野菜の代表的なものですが、どれも発芽適温は20~25度くらいです。連日35度を超えそうなときに種を播いても発芽してくれません。もう少し待って気温も落ち着いてくる頃に種まきをしようと思います。
畑への直播とともに、育苗してから畑に植え付けをする準備もしています。種の種類によって穴の数が違うセルトレイを準備し、本葉が3~5枚ほどになるまで育苗ハウスで育てます。虫、特に小さな蛾などが菜入れないように防虫ネットなどで覆っているハウスですが、気が付くと小さな虫が入り込んでいます。どこから入ったのかと思いますが、ハウス内にはカエルもたくさん住み着いていて、飛んできた虫を退治してくれているようです。
先週の土曜日、日本有機農業研究会主催のオンラインシンポジウムがありました。私も主催者側の一人として、後半部分の進行をしました。オンラインによるシンポジウムは、各団体が積極的に実施していますが、日本有機農業研究会は今回が初めての試みで、ズームに詳しい人がサポートしてくれて進めることができました。
農水省が2050年には有機農業の面積を100万ha、全耕地面積の25%にすることを含む、みどりの食料システムを決めました。有機農業への大きな転換を図ることを政策として決めたことは評価できるものです。ただ、その内容については、AIの利用などスマート農業の活用であったり、新たな農薬の開発であるなど、有機農業を実践している私たちのやり方とはかけ離れたものもあり、素直に喜べないものとなっています。そこで、実際に有機農業をしている、あるいは、有機農家を支援している5名の方から現地からの報告をしてもらいました。
5名の方は、それぞれの地域で多様な活動をされています。福祉施設との連携を進めている人、園舎を持たず、地域にある公園や森などで保育をしている幼稚園と関わりながら、有機農家との提携を進めている若いお母さん、熊本で新規就農者の支援や学校給食への有機食材の取り組みをしている方、昔からある堰の補修をボランティアを募って行い、高齢化したため維持が難しくなっている地域の再生を試みている人、新規就農者と一緒に朝市を企画し、開かれた提携システムとして生産者と消費者のかかわりを広げている人と、それぞれが特色あるネットワークを駆使しながら、有機農業の横の広がりを作っている話をして頂きました。
有機農業がヨーロッパ並みに広がるためには、多くの人が有機農業に関わることが必要です。それは生産者としてだけでなく、生産者を支える消費者として、あるいは、生産物を適正な価格で売る人も必要です。加工や学校給食、あるいは子ども食堂など、多くの関係やネットワークなど、横へのつながりが必要です。
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