畑情報
梅雨明け後、連日35度近い猛暑が続いています。地面に近いところでは40~50度にもなるほどの強烈な真夏の太陽が照り付けています。お盆を迎える前の今の時期が1年で最も暑い期間と言われていますが、
暦の上では立秋を迎えました。これからは残暑と呼ばれるこの暑さですが、今年は例年よりも気温も高いという予報がでています。コロナの爆発的な感染拡大ともあいまって、昨年に引き続き、いつもとは違うお盆を迎えることになりそうです。
7月いっぱい、毎日のようにたくさん収穫することができたキュウリは収穫を終えました。水が多く必要なキュウリは梅雨の間は実が良くつきましたが、猛暑が続くようになると勢いも低下していました。
農家は出荷や自給用に関わらず、旬の野菜を育てています。今年はキュウリの出来が良かったので、どこの農家も毎日キュウリばかり食べていて飽きたよ、という話になります。キュウリもみも、今日は醤油だけ、昨日はお酢をかけた、明日は何味にしようか、という具合です。旬の野菜を食べることは体には良いことですが、料理の腕も磨かないといけないようです。
キュウリは食べ飽きた感もありますが、ないと寂しいので、秋から収穫できるように種を播き、育苗をしていたものを畑に植え付けました。土も乾いていたので、植え付け用の穴にたっぷりと水をいれました。
しかし、畑の条件はキュウリ苗には厳しかったようで植えた翌日には2割ほどの苗が枯死してしまいました。黒マルチを張っていたのですが、そのマルチも高温となって、そこに接したキュウリの茎がダメージを受けたようです。そこで、枯死したところには残しておいた苗を再度植え付け、今度はトンネルをして光を遮る遮光ネットをかけることにしました。
この遮光ネットはラッセル織という技術を使って光を程よい条件にしてくれるもので、今年はキャベツの苗を植えたところでも、遮光ネットをかけまキャベツにかけた遮光ネットは効果を発揮しており、キャベツ苗を強烈な暑さから守ってくれています。これからの苗の植え付けや、ニンジンの種まき後にはしばらく遮光ネットをかけて発芽や根の活着を守ってもらうつもりです。
さて、オリンピックも最終日になり、連日、オリンピックに関するニュースが続いています。そんな中、オリンピックの食材に関するネットニュースがありました。前から言われていたことですが、ほとんどニュースでは触れられていなかった食材についてです。
もともとオリンピックの食材はロンドン大会からオーガニック中心のものとなっていました。野菜はもちろん、畜産物に関してもです。特に畜産物では、動物の福祉基準をクリアできていない肉や卵に対して、選手からのクレームが出されているようです。
EUなどでは養鶏では日本のようなケージを利用した飼育は認めていません。狭い空間に数羽の鶏が入れられ、鶏は自由に動くこともできずにおおよそ半年間卵を産み続け、産卵率が下がると用済みとなってしまいます。養豚でも、ほとんど動くことができないような狭いところで一生を過ごす豚がほとんどで、病気の予防などもあって薬などが多用されている現状があります。
動物が自由に動くことができずストレスを感じると体内で複数のホルモン量が増え、それを食材として摂ると免疫力の減退や心臓血管機能への影響があるという学術論文が出されているようで、そのことを世界のトップアスリートたちは問題視していると書かれています。
オリンピックを迎えるために日本でも有機食材を中心に提供するために準備をしていました。しかし、有機農産物の割合が1%にも満たない日本の現状ではオーガニックは難しいとなりました。そこで、別の基準としてグローバルGAPを取っていることや、農福連携で生産されたものというような要件がだされることとなりました。
その後、オーガニックという言葉は聞かれなくなり、GAPの取得がメインとなってきています。GAPは農場などの管理基準を定めたもので、作業の効率化や農場の整備などの面では効果がありますが、農産物自体がオーガニックというわけではありません。また、最近、農業と福祉の連携をうたった農場も増えていますが、本当に福祉と農業のことをわかっているのかと思われる事例もあるようです。
オリパラが終わると、オーガニックやGAP,動物福祉に関することも忘れられてしまう気がしますが、
世界の流れはオーガニックになっている現実があります。日本も有機の割合を増やすことを政策として掲げましたが、政策をまっていては後手に回りそうです。
現場の私たちの動きが今後を左右しそうです。
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