畑情報
今年はセミの鳴き声が少ないかな、と思っていたのですが、ここにきてアブラゼミやミンミンゼミの大合唱が聞こえるようになりました。連日、35度近い酷暑ともあいまって、暑い夏を演出しています。
先週は一時的に不安定なお天気もありましたが、これからしばらくは平年よりも暑い日が多くなりそうです。日中の外仕事はさすがにきついので、お昼過ぎからはしばらく休憩時間を多めにとって、少し涼しくなるのをまってから作業を始めています。
今の時期は作業もそれほど多くはないなずなのですが、田んぼ周りの草刈りや、稲への穂肥散布、ニンジンの種まきや秋冬野菜のキャベツ、ブロッコリーなどの種まきや苗の鉢上げなどたくさんの作業がまっています。真夏の厳しい日差しはトレイで育っている苗にはきついため、移動できる一輪車にトレイを乗せ、日陰になる場所に置いています。それでも少し太陽が当たると、すぐに土が乾いてしまいます。逆に、日陰ばかりに置いておくと、発芽した芽がひょろひょろになってしまいます。そうすると、茎が途中で折れてしまったりするので、ちょうどよい加減を考えることが必要です。今週中には小型のハウスを別の畑から移動してきて、その中で育苗をするようにしたいと思っています。
さて、4月から月に2回のペースで実施してきた有機農業教室は、先週の土曜日で1回目を終わりました。
夏野菜をメインにして畑で育ててきました。幸いにも、借りた畑の土が肥えていたようで、あまり肥料を上げなくても野菜が良く育ってくれました。後半は収穫作業も行い、参加した人たちで分けて持ち帰ることもできました。
毎回、9時半から30分ほどを講義と説明の時間にあてました。主に有機農業の概要についての話で、栽培技術そのものよりも、有機農業の現状や課題も含めて、全般的なお話をさせてもらいました。
その後、歩いて5分ほど離れた畑に移動し、各人が担当した区画で同じ作業をしてもらいました。当初、2~3人でグループを作ってもらい、グループごとに作業をするように計画をしていましたが、コロナ感染のこともあり、できるだけ密にならないようにするため、一人一人が別の区画で作業をするように変更しました。そのほうが個人のペースで作業もできるので良かったかもしれません。
この畑は今年から借りた田んぼに隣接しているところで、20aの広さがあります。すぐ横を元荒川が流れていて、高崎線と元荒川に挟まれたところです。田んぼと反対側は近所の方が耕している畑があり、その畑の境界には大きなご神木があります。夏の強い日差しを遮ってくれ、休憩するにはとても気持ち良い影を作ってくれます。
もともと、この畑は白鷺のコロニーがあったところで、数年前に鷺たちが巣を作っていた竹や木を伐採して畑にしたところでした。20aの3分の2は、埼玉県の有機農業コースを卒業した方が耕すことになり、残りを有機農業教室として使うことにしたのです。
最初は鷺がいたところだとはわからず、土つくりから始めないと野菜が収穫できるかどうか疑問でした。しかし、鷺の糞などが土を肥やしていたようで、他の粘土質の強い畑とは比べ物にならないほど、作物を育てるには良い状況でした。
埼玉県は家庭菜園は多い県のようですが、再演として利用できる場所が限られていることもあり、種まきから収穫までを体験することができる場所はまだ限定的です。東京では都市農業を残すための方策として、体験農業ができるような農業の形態があります。家庭菜園のように区画を貸し出し、そこを耕してもらうのですが、月に1~2回、農園主が講師となって栽培方法についての指導を行うようなところです。
今では企業もこのような体験農園事業に参加しており、有機農業をするような農園が増えているようです。金額は家庭菜園を借りるよりは割高ですが、種や肥料、農具などはそろっているので、何も準備しなくても有機農業を体験できるというのが魅力的なところのようです。
農業、特に有機農業を広げていくためには、生産者が増えるだけでは難しく、食べてくれる人、そして生産者を応援してくれる多くの人がかかわることが必要だと思います。そのためには、有機農業がどんなものであるのかを理解してもらえるような場を提供していくことが必要です。そのような場になればと思って始めたのが有機農業教室です。9月からは秋冬野菜を育てる後半の教室をすることにしました。チラシを同封しますので、興味のありそうな方にお声がけをして頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。
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