畑情報
「好事魔多し」。今年の合鴨はまさにこの言葉がぴったりとあてはまる状況となりました。先週のある朝、
田んぼの中に設置してある合鴨の休憩用の小屋を除くと、そこにはいつもとは違う光景がありました。
小屋の中と、そこから田んぼに通じる水のあるところに、小さなカモのヒナたちが浮かんでいたのです。
小屋の中では十数羽のカモのヒナが固まって震えていました。
一瞬、何が起こってのか理解するのに時間が必要なほどでした。田んぼ用の長靴に履き替え、浮いているカモのヒナたちを集めました。中には半分ほどが食べられているものや頭に傷を負っているものもいましたが、大半は何の以上も感じられないようなものでした。
実は、この日の前日、田んぼの周りのネットも張り終え、獣よけの電気柵も設置し,あとはカモを放すだけという状態になっていました。ところが、天気予報を見ると夕方から雷雨の可能性があるとのことで、その日の放鳥はやめて、翌日に延ばすことにしたのです。
そして、せっかく準備した電柵のスイッチもいれないままにしていました。今から考えると、前の日に放しておけば良かったとか、スイッチを入れておけばよかったとの悔やむ気持ちしかないのですが、そんな時に限って悪いことが起こるのです。
今年のカモたちは結構元気に育っており、一度だけ夜に密集状態になった場所で圧死しているカモが出たくらいでした。水慣らしの訓練やその後の田んぼの小屋での水慣らしも順調だっただけに、このような状態になったことは精神的なダメージが大きい出来事でした。
何が小屋に入ったのかはわからないのですが、イタチやハクビシン、アライグマの可能性が大きいと思います。カモたちも体が大きくなってきていたので、見た目ではあまり数が減っている気はしなかったのですが、どうやら毎日、少しずつカモの数は減っていたようです。
さらに悪い循環は続きます。最初に届いた100羽のヒナの次に、小学校の田んぼように頼んだ第2便の50話がいます。その50羽を早めに田んぼに放すことにし、被害のあった翌日に田んぼに放しました。ところが、この50羽はまだ十分な水慣らしをしていないままだったために、放してから30分もすると突然、田んぼの中で動けなくなって、そのまま死んでしまうカモが続出しました。その数10羽ほど。慌てて小屋の中に追い込み、育雛用の小屋に戻して様子を観察する事態となりました。幸い、小屋に戻ってからは何事もなかったように元気を取り戻してくれましたが、何かに襲われたカモたちも、この田んぼの中で死んでしまったカモたちも不注意と焦りが原因です。
そして今の状況です。何かに襲われたカモのヒナを見つけたその日のうちに、いつもヒナを送ってもらう大阪の孵化上に連絡をして、急遽新しいカモのヒナを送ってもらうことにしました。これもタイミングが良く、電話した日に孵化したカモたちがいるということで、翌日には手元に届けてもらうことができました。
送ってもらったカモたちは合鴨が半分、残りの半分はダック(アヒル)の種類です。合鴨よりも一回りほど大きく、黄色のヒナたちです。昨年知り合ったベトナムショップの方から、できるだけ体が大きくなるカモかアヒルを育ててほしいという依頼があり、ダックを試してみることにしたのです。カモたちの様子は下の写真と、QRコードでは動画が見られます。
コロナの影響はお米の消費にも大きな影を落としています。外食が減ったためにお米の消費が減少し、在庫が増えています。この状況が続くと、今年のお米の買い取り価格は大きく下がることが予想されています。主食用のお米ではなく、飼料用や米粉などの加工用としての米つくりをすることが奨励されているのが現状です。普通のお米を作っても売れない時代になっているため、大規模に作付けするか、付加価値をつけて売るかという選択になっていくのです。有機米や合鴨農法米は付加価値をつける方法です。合鴨農法は楽しい農法である反面、生き物と付き合う厳しさもある農法です。
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