畑情報
昨年に引き続き、今年のゴールデンウィークもコロナ感染拡大のために自粛の日々が続いています。でも農家にとってはこの時期は休みという訳にはいきません。埼玉でも早いところでは田植えが始まっていますし、夏野菜の植え付けもピークを迎えます。やることがたくさんあるという意味で、農家のゴールデンウィークともいえる毎日です。
5月初めは気持ち良い天気が続きますが、一方で寒気の流れ込みによって雷や突風、竜巻の被害が出るときでもあります。今年も5月に入ってすぐに雷雨になるなど、不安定なお天気になりました。時には降雹の被害もあるため、植え付けと重なる夏野菜への影響が心配になります。
田んぼの作業が集中する5月の半ば前には夏野菜の苗を畑に植え付けるようにしています。肥料を散布して畝を立て、マルチを張ります。マルチに植穴を開けてから水をたっぷりと流し込み、苗を植え付けていきます。前に書いたように雹が降ることもあるので、もうしばらくは防虫ネットやビニールトンネルなどをして苗を守ってあげます。ただ、雨降りの後は強い風が吹くことも多く、また雷雨の時の強い風などでせっかく張ったトンネルやネットが吹き飛ばされることもあります。飛ばされたら直し、また風が吹くという繰り返しを経て、今月の半ばにはトンネルは取り除き、支柱を立てていきます。
さて、下の写真は皆が知っているカラスです。家の前にある電線にとまっているところです。
このカラス、実はここしばらく頭脳戦を繰り広げている憎らしい相手なのです。それもこちら側が連戦連敗の状態です。そして明らかにこちらを馬鹿にしている様子で電線にとまっては「かぁー」と声をあげています。
カラスとの攻防はまず鶏の卵から始まりました。鶏へ餌をあげるのは1日2回です。朝とお昼過ぎですが、お昼過ぎには卵も集めます。朝の餌やりの時には姿を見せないのですが、お昼過ぎになるといつの間にか近くに来ているのです。鶏舎は4つあり、ひとつはヒヨコが入っています。残りの3つからそれぞれ卵をバケツに入れて持ち出してきます。ある時、最初の鶏舎で集めた卵を外に置いて次の鶏舎で餌をあげていました。その時、なにやら黒い影が外に置いたバケツに寄ってくるのが見えました。こちらの視線に気がついたのか、卵をくわえて飛び去ったのがカラスでした。
それから数日後、バケツに入れた卵を取られないように対策をとっていたので、カラスのことを気にしていなかった時のことです。集めた卵を小屋に運び、バケツからトレイに移して少しだけ小屋から外に出た時です。どこに隠れていたのか、あのカラスが小屋に忍び込み、再び卵を加えて逃げていきました。カラスにしてみれば「あの甘ちゃんの人間が卵を持ってきた」と思っているに違いありません。
戦いはさらに畑でも起こります。畝を準備し、ナスの苗を車で運んで畑に置いておきました。ちょうどお昼になったので、植えるのは午後にしようと思っていました。ちょうど畑からすぐのところにあるうどん屋さんから、鶏の餌用にもらっている鰹節が出たという連絡があったので取りに行きました。その帰り道、畑に目をやるとまた黒い影がウロウロとしているのが見えました。家に帰り、すぐに畑に戻ってみると植えようと思っていたナスの苗が1本、ポットから抜き取られて放置されていました。幸い、被害にあったのはその1本だけでしたが、それ以前にも植えたばかりのポップコーンの苗を2~3本抜き取られることもありました。
卵のカラスと、畑のカラスが同じ個体かどうか、実のところはわかりません。ただ、距離も近く、どうも個人を認識している気配を醸し出している様子をみると同じカラスと思えるのです。そろそろこちらが逆襲をしたいところですが、また負けてしまいそうです。
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