畑情報
土曜日の夜、緊急地震速報が流れて数秒後、地震の揺れを感じました。その揺れは次第に大きくなり、 10年前の震度5弱の地震を思い出しました。東日本大震災の余震ということで、東北では震度6強を観測したところもありました。幸い、地震後の津波は起こらず、地震の規模にしては大きな災害に至らずにほっとしました。ただ、月曜日はダブル低気圧が発達し、強い雨が予想されています。地震により地盤が緩んでいるところもありそうですから、この雨にも注意が必要になりそうです。
さて、下の写真は本屋さんで売られている農業関連の雑誌の一部です。現代農業は農家向け、やさい畑と野菜だよりは家庭菜園向けという感じですが、記事の内容には参考になることもたくさんあり、面白そうな話があると買ってきています。
例えば、3月号の現代農業では排水の悪い畑などで活用できる話題が特集として載っています。表紙にも書かれている「縦穴ほり」という技術です。
丘陵地帯や高いところにある畑は雨が降っても水はけが良いのですが、もともと田んぼだったような畑では、大雨の後はいつになっても水が引かないことがあります。畑に排水用の溝を掘り、排水口まで水が流れるようにしていても、思うように排水されずに何日も湿ったままになる場所があります。そこでは野菜の根が呼吸できず生育が悪くなったり、枯死してしまいます。そんな場所に穴掘り機を使って穴を掘っていくと、排水が改善され、それまで水が溜まっているような所でも排水性が改善されたというものです。
また、先月号からはベテラン有機農家が、有機農業のコツのコツと題して、有機農業技術の紹介をするコーナーも始まりました。
他の二つの雑誌でも参考になる記事が多くあります。「育土」のすすめという特集も面白い内容でした。有機農業に限らず、農業では土作りが基本と言われています。堆肥を散布したり、緑肥を使ったりして土がふかふかになるようにしていくことを土つくりと呼んでいます。土を作ることで作物が良く育つという考え方です。一方、育土という発想は、作物を育てながら土を作るというもので、土が大切であるという基本は同じでも、考え方は土作りとは反対なものになります。
もう一つの雑誌では、異常気象に対応するための方策として、野菜を3つの時期に分けて育てることが大切という特集がありました。野菜の種まき時期、植え付け時期、収穫時期は毎年同じタイミングで行っています。ところが、最近のお天気は先が読めず、いつもと同じタイミングで栽培することのリスクが高くなってきています。そこで、例えばトマトなども種まきの適期である3月に播くもの、それよりも早く2月に播くもの、さらに5月頃に種まきをするものと3つのパターンに分けて育てることで異常気象を乗り切るという技術の紹介です。
農業技術、特に有機農業の場合は、地域性や農家の考え方や経験、どんな経営を目指すかなどによって様々です。Aさんが取り入れている技術をBさんがまねしても、すべてがうまくいくとは限りません。それが有機農業の面白いところでもあるのですが、難しいところでもあります。
雑誌からの情報やインターネットで得る情報、あるいは、農家の見学や勉強会、研修会など「技」を学ぶ場所は多くあります。今はコロナの影響で現地見学などは控える傾向にありますが、状況が改善すれば技を学ぶ機会も増えてくると思います。
今年は少し早めに種まきを始めました。雑誌で消化されていた異常気象に対応するための技術を実践してみることにしたのです。買ってあったピーマン、ナス、トマトの種をそれぞれ半分ほど播いてみました。
電気園芸マットで芽が出るまで育て、大きめのトレイに植え替える段階からいつもの踏み込み温床で苗の育苗をしていく予定です。寒暖の差が大きい日もあるので、天気を見ながら育苗ハウスの開け閉めをし、丈夫な苗を育てていければと思っています。
Comments